暖房は、寒くなってから出すものだと思われています。
でも、それだと間に合わないことがあります。
本当に寒くなってから「動かない」と気づいても、その時期は修理も買い替えも混み合います。数日から数週間、暖房なしで過ごすことになります。
まだ暖房が要らない今のうちに、動くかどうかだけ確かめておく。それだけで、その事態は避けられます。
1. なぜ10月のうちなのか
理由は3つあります。
- 修理業者が空いている(真冬は予約が取りにくくなります)
- 買い替えても間に合う(在庫があり、工事の日程も選べます)
- 窓を開けて試運転できる(初回運転のにおいを逃がせます)
最後のものは、意外と重要です。
しばらく使っていない暖房器具は、たまったほこりが焼けて最初ににおいが出ることがあります。真冬に窓を開け放つのはつらいですが、今なら平気です。
2. エアコンの暖房
試運転のしかた
- フィルターを外して掃除する(ほこりが詰まったまま回さない)
- 暖房の設定温度を、いちばん高くする
- 10〜20分ほど運転する
- 温かい風が出てくるか確認する
外がまだ暖かい時期だと、暖房が効きにくいことがあります。設定温度を上げないと反応しないので、そこは思い切って上げてください。
ここを見る
| 症状 | 意味すること |
|---|---|
| 温かい風が出ない | 故障の可能性。冷房は効いていても暖房だけ不調なことがあります |
| 異音がする | 内部の部品か、室外機の不具合 |
| カビくさい | 内部にカビ。運転しても改善しないなら清掃を検討 |
| 水が垂れる | ドレン(排水)の詰まりの可能性 |
| すぐ止まる | エラーの可能性。表示ランプを確認 |
異常があれば、この時期なら落ち着いて対応できます。
室外機のまわり
暖房のとき、室外機は外の空気から熱を集めています。吸い込み口や吹き出し口がふさがっていると、効きが落ちます。
- 落ち葉や枯れ草を取り除く(秋は特にたまります)
- 前に物を置かない
- すのこや囲いでふさいでいないか確認
⚠️ 室外機の内部や、本体の分解にあたる清掃は、自分でやらないでください。高圧の冷媒や電気部品があり、けがや故障につながります。
3. ⚠️ 石油ストーブ・ファンヒーター
ここは、掃除の話ではなく安全の話です。
暖房器具による火災や一酸化炭素中毒は、毎年発生しています。
去年の灯油は使わない
これが、いちばん見落とされます。
シーズンをまたいで残った灯油(越年灯油と呼ばれます)は、品質が変わっていることがあります。
変質した灯油を使うと、不完全燃焼を起こしたり、故障の原因になったりするとされています。
「もったいない」と思っても、使わないでください。
⚠️ 処分の方法は、自治体やガソリンスタンドによって異なります。下水や地面に流すのは絶対にやめてください。購入したガソリンスタンドや、お住まいの自治体に相談してください。
⚠️ また、灯油のタンクに、ガソリンが混ざっていないかも確認してください。見た目が似ているため、誤って入れてしまう事故があります。混ざると、激しい燃焼や爆発につながる危険があります。
換気
室内で燃焼させる暖房器具は、部屋の酸素を使い、排気を室内に出します。
換気が足りないと、一酸化炭素中毒のおそれがあります。
一酸化炭素は無色・無臭で、気づけません。頭痛や吐き気が出たときには、すでに動けなくなっていることがあります。
- 定期的に窓を開ける(各メーカーが目安を示しています。取扱説明書を確認してください)
- 締め切った部屋で長時間使わない
- 寝るときは消す
- 気密性の高い住宅では、特に注意する
⚠️ 頭痛、吐き気、めまいを感じたら、すぐに火を消し、窓を開け、屋外に出てください。症状があるときは119番に連絡してください。
まわりに置かないもの
- 洗濯物(落ちて着火する事故があります)
- スプレー缶・カセットボンベ(熱で破裂するおそれ)
- 新聞紙、紙袋、カーテン
- 布団、座布団、毛布
⚠️ どれだけ離せばいいかは、機種によって違います。取扱説明書に記載されているので、確認してください。
また、給油するときは必ず消火してください。つけたまま給油してこぼれ、火災になる事故があります。
古い器具は、点検の対象
長年使っている暖房器具は、内部の部品が劣化していることがあります。
製品によってはリコール(無償の点検・修理)の対象になっているものがあります。型番で調べられるので、古いものを出すときは一度確認してください。
製品評価技術基盤機構(NITE)や、メーカーのサイトで公開されています。
4. ⚠️ こたつ・電気カーペット・電気ストーブ
火を使わないので安全だと思われがちですが、こちらも火災の原因になります。
コードを見る
しまうときに束ねたり、家具の下敷きにしたりして、内部で断線していることがあります。
- コードに折れ跡、ひび、変色がないか
- プラグの根元が硬くなっていないか
- 差込口にほこりがたまっていないか(トラッキング火災の原因になります)
異常があれば、使わずに買い替えてください。テープを巻いて使うのは危険です。
電気ストーブは、火を使わなくても燃える
電気ストーブによる火災は、実際に多く発生しています。
布団や洗濯物が触れて着火する事故があるため、寝床のそばで使わない、寝るときは消すことが重要です。
5. 加湿器は、出す前に洗う
しまう前にきれいにしたつもりでも、タンクや内部に水分が残っていると、汚れが育ちます。
そのまま使うと、汚れを含んだ蒸気を部屋にまくことになります。
- タンク、受け皿、フィルターを分解して洗う
- ぬめりがあれば、こすり落とす
- よく乾かしてから組み立てる
⚠️ 洗い方は機種によって違います。クエン酸が使えるもの、使えないものがあります。取扱説明書を確認してください。
⚠️ 加湿器の水は毎日入れ替えてください。継ぎ足しはしないでください。手入れを怠った加湿器が原因となる健康被害が報告されています。
6. ついでにやると効くこと
すき間をふさぐ
暖房を入れる前に断熱をしておくと、同じ設定温度でも暖かくなります。
- 窓のサッシのすき間(すき間テープ)
- 床に近い冷気(厚手のカーテンを床まで届く長さに)
- 使っていない換気口(※常時換気の給気口はふさがないでください)
⚠️ 最後のものは重要です。24時間換気の給気口をふさぐと、結露やシックハウスの原因になります。また、燃焼式の暖房を使う部屋では、換気が不足すると危険です。
火災警報器を確認する
暖房を使う季節は、住宅火災が増える時期です。
住宅用火災警報器には電池や本体に寿命があり、おおむね10年が交換の目安とされています。
本体のボタンやひもで作動テストができます。音が鳴らない、または電池切れの警告音がする場合は、交換してください。
まとめ
- 暖房は寒くなる前に試運転する(修理も買い替えも間に合う時期に)
- エアコンは設定温度を上げて10〜20分。異音・におい・水漏れを見る
- 室外機のまわりの落ち葉を取り除く
- ⚠️ 去年の灯油は使わない。処分は自治体やスタンドに相談
- ⚠️ 燃焼する暖房は換気。一酸化炭素は無色無臭で気づけません
- ⚠️ まわりに洗濯物・スプレー缶を置かない。給油は必ず消火してから
- ⚠️ 古い器具はリコール対象か確認(NITE・メーカーのサイト)
- ⚠️ こたつ・電気カーペットはコードの傷とプラグのほこりを見る
- 加湿器は出す前に洗う。水は毎日入れ替える
- すき間をふさぐ。ただし24時間換気の給気口はふさがない
- 火災警報器のテスト(10年が交換の目安)
今日やるのは、動かしてみることだけです。異常がなければ、それで終わりです。
※ 暖房器具の取り扱いは、機種によって異なります。必ず取扱説明書を確認してください。異常を感じた場合は、自分で分解せず、メーカーや販売店に相談してください。
よくある質問
Q. エアコンの試運転で、においが取れません
ほこりが焼けるにおいは、しばらく運転すると消えることが多いです。消えない場合、内部のカビが原因のことがあります。フィルター掃除で改善しなければ、内部清掃を検討してください。自分で分解するのは避けてください。
Q. 灯油が少しだけ残っています
量にかかわらず、シーズンをまたいだものは使わないでください。処分方法は地域によって違うので、購入したガソリンスタンドか自治体に確認してください。流したり、燃えるゴミに出したりしないでください。
Q. 一酸化炭素警報器は必要ですか?
燃焼式の暖房器具を室内で使う場合、備えておく価値はあります。ただし警報器があっても、換気は必要です。警報器は換気の代わりにはなりません。
Q. 賃貸なので、エアコンが古いままです
設備として備え付けられているエアコンの修理・交換は、多くの場合、貸主の負担とされています。動かない、効きが悪いといった不具合は、寒くなる前に管理会社や大家さんに連絡してください。早めに伝えるほど、対応してもらいやすくなります。
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参考にした情報
- 総務省消防庁:住宅防火関係(住宅用火災警報器の設置と維持管理)
- 製品評価技術基盤機構(NITE):暖房、点検、ヨシ!~5つの点検で火災を未然に防ぎましょう~
- 消費者庁:携帯発電機・カセットこんろの使用にご注意ください(一酸化炭素中毒)
- 各メーカーの取扱説明書(離隔距離、換気の目安、加湿器の手入れ方法)
- お住まいの自治体および購入先(灯油の処分方法)

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