爬虫類を飼い始めたのは社会人1年目の秋でした。全部で5,400円です。
給料は少なくて、専用ケージや器具を全部そろえる余裕はありませんでした。それでも飼いたかったので、安く始める方法だけを考えました。
そこから20年続いています。いま「安く始めたい」と言われたら、当時と同じことを勧めるかどうか——これを書きます。全部勧めるわけではありません。
何を代用したか

| 本来のもの | 代わりに使ったもの | 値段 |
|---|---|---|
| 専用ケージ | 衣装ケース(ホームセンター) | 1,000円 |
| 通気用のフタ | フタに穴を開けてメッシュを貼った | 家にあるもの |
| 爬虫類用の床材 | 赤玉土(園芸コーナー) | 400円 |
| 同 | キッチンペーパー | 家にあるもの |
| 流木・レイアウト材 | 公園で拾った枝 | 0円 |
| 生体(レオパ) | — | 4,000円 |
| 合計 | 5,400円 |
フタの加工はガムテープとハサミでやったので、見た目はかなりひどいものでした。それでもレオパは気にせず住み着いてくれました。
床材は赤玉土とキッチンペーパーの組み合わせで、汚れた部分だけ取り替えていました。月にかかるのは100円ほどです。
⚠ 20年たった今、衣装ケースを勧めるか
結論から書くと、条件つきで勧めます。ただし当時の私のやり方そのままではありません。
私はいま、迎える前に環境を整えておくほうがいいと思っています。これは20年前の自分がやらなかったことです。そこを飛ばして書くと嘘になるので、何が変わったのかを書きます。
いま何をそろえてから迎えるかは、レオパのお迎えの記事に書いています。
変わったのは、代用していい部分と、代用で済ませてはいけない部分の区別がついたことです。
| 当時 | いまの考え | |
|---|---|---|
| 入れ物 | 衣装ケース1,000円 | これはいい。サイズが足りていれば箱の値段は関係ない |
| 床材 | 赤玉土+キッチンペーパー | これもいい。キッチンペーパーは今も一番管理が楽 |
| レイアウト | 拾った枝 | いい。よく洗って乾かせば十分 |
| フタと脱走対策 | ガムテープで貼った | ここは代用で済ませない。やり直すべきだった |
| 温度を測るもの | — | 最初から要る。安くても必ず置く |
ガムテープのフタで何年も問題は起きませんでしたが、起きなかっただけです。一度出てしまえば取り返しがつきません。衣装ケースを使うなら、フタだけはきちんと固定できる形にしてください。ここは数百円で解決します。
温度計も同じです。当時は手で触って判断していました。結果的に無事でしたが、判断材料がなかっただけで、うまくやれていたわけではありません。

ダンボールで囲うと、電気代が下がった
冬は保温マットの電気代が上がりました。
そこでケージをダンボールで囲ったら、保温効率が上がって電気代を抑えられました。当時の試行錯誤で気づいたことです。
これは今でも使える話だと思っています。保温器具を強くするより、逃げていく熱を減らすほうが先です。いまは市販の断熱シートを貼っていますが、やっていることは当時と同じです。
⚠ 節約の失敗:部屋中がコオロギになった
一番の失敗はこれです。
エサ代を下げようとして、コオロギを自家繁殖させようとしました。逃がしてしまい、部屋中がコオロギだらけになってしばらく大変でした。
自家繁殖は管理が思ったより難しく、結局ショップで買うほうが楽だという結論になりました。
この失敗で分かったのは、節約できるかどうかは値段では決まらないということです。
- 一度買えば終わるもの(箱・床材・枝)は、代用が効きます
- 毎週・毎日の管理が増えるもの(繁殖・自作の給餌システム)は、安くなっても続きません
コオロギの繁殖は後者でした。手間が増えて、しかも失敗したときの代償が部屋全体に来ます。あの経験があるので、いまは「無理して節約しないところ」を先に決めてから考えます。
息子と一緒に飼っていた時期
息子が小学生になった頃、一緒に飼育するようになりました。
最初は怖がっていたのに、餌やりを一緒にするうちに自分から「今日は食べた?」と確認するようになりました。水換えや床材の交換も少しずつ手伝ってくれるようになりました。
拾ってきた枝を一緒に洗って、「どこに置こうか」と話しながらレイアウトを決めたのは良い思い出です。費用がかからないからこそ、「自分たちで作る」感覚が自然に生まれた気がします。
「今日はどこに隠れてる?」「昨日より動いてるね」という会話が毎日続きました。それだけのことですが、この時間が一番印象に残っています。
息子が自分で飼いたいと言ったときに話し合ったことは、子どもと爬虫類の記事に書いています。
20年続けて思うこと

あの頃の衣装ケースと拾った枝から始まって、20年がたちました。いまはガラス製のケージを使っています。
ただ、やっていることの本質は変わっていません。毎日観察して、環境を整えて、小さな変化に気づく。お金をかけなかった頃のほうが、細かいところまでよく見ていたかもしれません。見る以外にできることがなかったからです。
最初から全部そろえる必要はないと思います。工夫できるところは工夫して始め、必要だと感じたら少しずつ整えていく。
庭で見つけたカナヘビを数週間だけ飼って返した話は、カナヘビの記事に書いています。
そのうえで、最初から省かないほうがいいのは2つだけです。脱走できないフタと、温度が分かるもの。この2つは、代用した分が後から戻ってきませんでした。
20年のあいだに引越しや転職をはさんでも続けられた理由は、寿命と長期飼育の記事に書いています。

