爬虫類は何年生きるのか|20年で何代か見送って、年数より先に決めたこと

爬虫類は何年生きるのか(20年で何代か見送って) 飼育の基本

爬虫類を飼い始めて20年になります。最初はレオパ1匹でした。

当時は「数年飼えれば」と思っていました。気づけば引越しも転職も2回ずつ経験して、まだ同じようにケージの前に立っています。そのあいだに何代か見送りました。

「何年生きますか」は迎える前に必ず気になることです。ただ20年やって思うのは、先に決めるべきなのは年数の見込みではなかったということでした。

寿命の数字は、調べると合わない

まず正直に書きます。種類によっては、調べるほど数字がばらつきます。

年数出どころ
レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)約20年札幌市円山動物園の資料(野生下・飼育下とも)
フトアゴヒゲトカゲ8〜10年キョーリンの飼育解説
 同6〜8年/8〜12年/15年以上飼育情報サイトによって異なる
ミリー(アンダーウッディサウルス)10〜15年出どころを確認できませんでした(飼育情報では広く見かける数字ですが、公的な資料を見つけられていません)

レオパのように動物園の資料がある種類は、数字がはっきりしています。札幌市円山動物園のヒョウモントカゲモドキの解説では、野生下・飼育下とも約20年とされています。

そのレオパを迎えるときに何をそろえたかは、お迎えの記事に書いています。

一方でフトアゴは、キョーリンの飼育解説が8〜10年としているのに対し、飼育情報サイトを見ていくと6〜8年から15年以上まで書かれています。どれが正しいのかを私は判定できません。

なので、ここは「10年以上になる可能性がある」という幅で受け取るのが現実的だと思っています。20年やってみて、数字の精度を上げることよりも、その幅に耐えられる形にしておくほうが効きました。

国の基準が「寿命も考慮に入れて」と書いている

これは飼い始めてから知ったことです。

環境省の家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年環境省告示第37号/最終改正 令和4年環境省告示第54号)の第1に、こう書かれています。

将来にわたる飼養の可能性について、住宅環境及び家族構成の変化や飼養する動物の寿命等も考慮に入れ、慎重に判断する

同じ基準の第2で「動物」は哺乳類、鳥類及び爬虫類と定義されているので、爬虫類もここに入ります。

読んだとき、自分がやってきたことがそのまま書かれていると思いました。住宅環境の変化=引越し、家族構成の変化=結婚や子ども、寿命=10年以上。私が20年のあいだに全部通ったところです。

精神論ではなく、具体的に何を想定すればいいかが書いてあります。以下はその3つについて、実際どうだったかです。

引越し2回で、一番困ったのは物件探し

移動中の温度管理を心配していました。やったのはこれだけです。

  • プラケースに入れ、カイロをタオルで包んで一緒に入れる(直接当てない)
  • 車での移動は、なるべく短時間で済むルートにする

移動そのものは、これで問題なく済みました。

実際に困ったのは移動ではなく、その前の物件探しです。爬虫類が飼える物件かどうかを確認する必要があり、ここで苦労しました。「ペット可」と書いてあっても、想定されているのは犬猫です。

⚠ 引越しの予定がある人へ

最初から「爬虫類可」を条件に入れて探してください。後から交渉するより、条件に入れて探すほうが早いです。私は2回ともこれで時間を取られました。

ケージが複数あると、置き場所の確保も条件になります。ラックを置ける壁面が必要で、そこにコンセントが要ります。内見のときに、コンセントの位置まで見ておくと後が楽です。

⚠ 続いた理由は、自動化しておいたことだった

20年のうち、毎日ちゃんと世話ができた期間だけではありません。

  • 仕事の繁忙期で、帰宅が遅くなり続けた時期
  • 転職の前後で、生活リズムが変わった時期
  • 自分が体調を崩して、数日お世話ができなかったとき

このどの時期も、環境は維持できました。照明と保温をタイマーとサーモスタットで自動管理していたからです。

体調を崩して数日動けなかったときが、一番それを実感しました。私が何もしなくても、温度と明かりは回っていました。もし手動でつけ消ししていたら、この数日で崩れていたと思います。

自動化する前、衣装ケースで手探りでやっていた頃の話は、5,400円で始めた記事に書いています。

スイッチボットの温湿度計を入れてからは、外出中もスマホで数値を見られるようになり、不安が減りました。ただし自動化は、やることを減らすためではなく、やれない日があっても崩れないようにするためのものです。ここを取り違えると、ただ見なくなります。

もうひとつ、かかりつけにできる病院を見つけられたことも大きかったです。調子が落ちたときに、どこへ行くかを考えずに済みます。

年をとると出てくる変化

ケージの中のレオパードゲッコー

何代か見送ってきて、気づいた変化があります。

若い頃年を重ねてから
レオパ夜になると活発にケージ内を動き回る10年を過ぎた頃から動きがゆっくりになり、シェルターから出る時間が短くなった
フトアゴ朝からバスキングスポットに直行朝の立ち上がりがゆっくりになり、バスキングの時間が長くなった
ニシアフ—寒い場所に気づかずじっとしていることが増えた印象

レオパのときは、最初は体調不良を疑いました。動きが鈍いので、どこか悪いのではないかと。長い付き合いのなかで、加齢による変化だと思えるようになりました。

フトアゴは、若い頃と後半で一番行動が変わった種類です。バスキングの時間が長くなったぶん、温度管理をそれまでより丁寧にやるようになりました。

ニシアフは、レオパより少し神経質な面があって、長く暮らしていると個体ごとの機嫌の良し悪しが分かるようになってきます。老齢になると寒い場所でじっとしていることがあったので、季節の変わり目は温度勾配を念入りに確認しています。

⚠ 加齢と体調不良は、見分けがつかない

上の変化はどれも、そのまま病気の兆候でもあります。「年だから」で片づけるのが一番危ないところでした。

私が線を引いているのは、変化の速さです。

  • 何か月かかけて少しずつ→ 加齢の可能性がある。ただし記録して様子を見る
  • 数日で急に→ 加齢ではない。病院へ
  • 体重が落ちている、尾が細くなった、糞の様子が変わった → 年齢に関係なく受診

いま家にいる子たち

岩の上のフトアゴヒゲトカゲ
レオパ8年目
ニシアフ4年以上・2匹
フトアゴ3歳半のアダルト
ミリー3年

20年飼っていると言うと、同じ子を20年飼っていると思われることがありますが、そうではありません。いる子はみんな、20年のうちの一部です。

この書き方をしているのは、「20年飼える」と「20年続ける」が別のことだからです。前者は1匹の寿命の話で、後者は自分の生活の話です。基準に書かれていた「将来にわたる飼養の可能性」は、後者を指していると思います。

変化に気づくためにやっていること

毎朝ケージを覗いて様子を確認する。これを20年続けています。

同じ20年のあいだに、お祭りのカメで失敗した話は、カメの記事に書いています。

一度、朝のチェックでレオパの様子が普段と違うことに気づいて、早めに対処できたことがありました。毎日見ていなければ気づくのが遅れていたと思います。

自動化を進めるほど、ここが大事になります。数値は自動で取れますが、「普段と違う」は数値に出ないことがあります。温度も湿度も正常なのに様子がおかしい、という場面が実際にありました。

迎える前に決めておいたほうがいい3つ

20年やってきて、これだけは先に決めておいたほうがいいと思うことです。

1. 10年以上を前提に、生活の変化を想定する

就職、転職、引越し、結婚、子ども、親の介護。20代で迎えた人は、40代まで一緒にいる可能性があります。そのあいだに起きることを、だいたいでいいので想定しておく。これが基準に書かれている「慎重に判断する」の中身だと思います。

2. 引越しの可能性があるなら、条件に入れておく

爬虫類可の物件は探せばあります。ただ探し始めてから条件に加えるのでは遅いです。最初から入れておくこと。

3. 自動化できるところは、最初から自動化する

タイマーとサーモスタット。この2つだけで、忙しい時期や自分が倒れたときに環境が崩れなくなります。

私が20年続けられた理由を1つだけ挙げるなら、これです。気合いでも愛情でもなく、自分が何もできない日に動いてくれる仕組みがあったことでした。