ナキツギオヤモリとも呼ばれるこの小さなヤモリは、見た目の可愛らしさはもちろん、日々の食事管理も大切だとされています。特に餌選びは、健康維持のために重要なポイントです。
この記事では、実際に飼育している筆者の経験を参考にしながら、「どんな餌が向いているのか」「冷凍昆虫でも問題はないのか」「サプリメントはどの程度必要か」など、初心者が悩みやすい点をわかりやすく紹介します。
アンダーウッディサウルスミリーの飼育環境の基本もチェック
餌だけでなく、飼育環境も整えておくことで、より安心して育てやすくなります。
健康に過ごしてもらうためのヒントとして、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
自然界での食生活
自然界のアンダーウッディサウルスミリーは、オーストラリアの乾燥地帯や岩場に多く見られます。夜行性で、夜になると活発に動き、主に小さな昆虫類を捕食するといわれています。
食べているとされる例としては、小型のコオロギ、ミルワームの幼虫、ゴキブリの幼虫などが挙げられます。ほかにも、地表を歩く無脊椎動物を捕まえることがあります。
これらの昆虫は高たんぱくとされ、必要な栄養源になるため、飼育下でも自然の食性に近い餌が選ばれることがあります。

たまに違う種類の昆虫を混ぜるのも良い工夫です。
飼育下での餌は昆虫
飼育下のアンダーウッディサウルスミリーには、基本的に昆虫食が選ばれます。昆虫の種類やサイズ、栄養バランスによって適した餌が変わるため、いくつかの種類を知っておくと便利です。
コオロギは高タンパク・低脂肪で扱いやすい餌
コオロギは、多くの飼育者が利用しているスタンダードな餌です。
・活発に動くためハンティング本能を刺激しやすい
・入手しやすい
与えるときは、アンダーウッディサウルスミリーの頭部と同じか、それ以下のサイズのコオロギを選ぶと飲み込みやすいとされています。

大きすぎる餌は避けたほうが安心です。
筆者の家庭では冷凍コオロギも使用しており、管理のしやすさから活用する飼育者も多いです。自然解凍して与えるだけなので扱いやすい点がメリットです。
冷凍コオロギには、ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ、黒コオロギなどの種類があります。
黒コオロギは栄養価が高いとされ、少ない匹数で満足しやすい場合があります。
ただし栄養が豊富な分、与えすぎには注意が必要です。
| 特徴 | クロコオロギ | イエコオロギ | フタホシコオロギ |
| 学名 | Gryllus bimaculatus | Acheta domesticus | Gryllus assimilis |
| 見た目 | 黒色でやや大きめ | 茶色・小型 | 黒褐色で中型 |
| 体長 | 30~40mm | 20~30mm | 25~35mm |
ミルワームは好む個体が多い補助餌
ミルワームは、動きがゆっくりしており捕食しやすい昆虫です。
・与えすぎは栄養の偏りにつながる可能性
・“おやつ”のように補助的に使われることが多い
ミルワームを好む個体も多い一方で、食いつきに個体差があります。主食にするのではなく、コオロギなどと組み合わせてバランスをとる使い方が推奨されています。

与えすぎると偏食につながる場合もあります。
サプリメントの重要性
アンダーウッディサウルスミリーのような夜行性のヤモリは、カルシウムやビタミンD3を適切に補給することで健康を維持しやすいとされています。これらの栄養が不足すると、体調に影響が出る可能性があるため、補助的に与えられることがあります。
カルシウムパウダーは骨のサポートに
カルシウムは骨の維持に役立つとされ、昆虫にまぶして与える方法が一般的です。特に成長期や繁殖期のメスでは意識されることがあります。

私の場合は、ジェックスのカルシウムパウダーを毎回少量だけ振りかけて使っています。
ビタミンD3はカルシウムの利用を助けるとされる
ビタミンD3はカルシウムの吸収をサポートするといわれています。夜行性のヤモリは自然光をあまり浴びないため、餌に少量加えて補う方法が利用されることがあります。

ジェックスのカルシウム&ビタミンDパウダーもあり、私は週1回程度こちらを使用しています。毎回の給餌でD3を与えるのは控えめにし、通常のカルシウムと使い分けています。
| 例 | 目的 | |
| カルシウムパウダー | ジェックス カルシウムパウダー | カルシウム補給 |
| ビタミンDパウダー | ジェックス カルシウム&ビタミンD | カルシウムの吸収をサポート |
餌の与え方と頻度
餌選びだけでなく与えるタイミングも大切です。夜行性のため夕方〜夜にかけての給餌が向いているといわれています。自然の生活リズムに近い時間帯にすると落ち着きやすいことがあります。
餌の頻度
成体(1歳以上)
2~3日に一度、少量ずつ与えるのが目安とされています。
私の個体は週3回、コオロギを2匹ほど食べています。食べたそうな素振りを見せる日もありますが、量は一定にしています。
幼体(1歳未満)
成長期のため毎日少量ずつ与える方法がよく使われています。
| 目安頻度 | 目安量 | |
| 成体(1歳以上) | 2~3日に一度 | コオロギ2〜3匹程度 |
| 幼体(1歳未満) | 毎日 | コオロギ1〜2匹程度 |
個体差に応じた給餌の調整
痩せ気味の個体
痩せ気味のときは、少し頻度を増やし、負担の少ない量を数回に分けて与える方法がよく使われます。例えば、週4~5回に増やして様子を見るなど、段階的な調整がされています。
太り気味の個体
太り気味の場合は、給餌頻度を控えめにして様子を見ます。週1~2回に抑えると、食べ過ぎを防ぎやすいとされています。
| 頻度 | 量 | |
| 痩せ気味 | 週4〜5回 | コオロギ1〜2匹程度 |
| 太り気味 | 週1~2回 | コオロギ1〜2匹程度 |

しっぽが太いと安心ですが、太くなりすぎないように様子を見ています。
餌を与える際の注意点
適切なサイズの餌を選ぶ
昆虫は、頭の大きさと同じか少し小さいくらいのサイズが飲み込みやすいとされています。大きすぎる餌は驚いて食べなくなることや、飲み込みにくいことがあるため避けています。
餌を残さない
生き餌を放置すると、生体に触れたり隠れてしまうことがあるため、食べ残しはその都度取り除くようにしています。特にデュビアは潜りやすいので注意しています。
定期的な栄養チェック
体重や普段の動き方を見ながら、餌の量や内容が偏らないように調整することが大切です。

餌を食べない時の対処法
アンダーウッディサウルスミリーが餌を食べない場合、温度や湿度、周囲の環境など、いくつかの要因が影響している可能性があります。季節によって食欲が落ちることもあります。
温度と湿度の見直し
ケージ内の温度・湿度が適切か確認します。温度が低いと動きが鈍くなることがあるため、パネルヒーターやヒーティングトップを調整しています。
また、暖房器具使用時は温度が上がりすぎないよう、サーモスタットも併用すると管理しやすいです。
餌の種類を変える
同じ昆虫に飽きている場合は、別の種類を少量試すことで食べることがあります。コオロギ以外にもミルワームやデュビアなど、違う昆虫を試すことがあります。
ストレスの軽減
足音、ドアの音、人の動きなど、環境の変化がストレスになる場合があります。ケージの位置や周囲の状況も見直すことがあります。
・温度や湿度の確認
・餌の種類を少し変えてみる
・ストレスになりそうな環境要因を見直す
よくある質問(FAQ)
Q. アンダーウッディサウルスミリーは毎日餌を与えるべき?
A. 幼体(1歳未満)は毎日少量ずつ与えられることが多く、成体(1歳以上)は2〜3日に一度が目安として利用されています。個体の様子を見ながら調整することが大切です。
Q. 冷凍コオロギと生きたコオロギ、どちらが良い?
A. どちらも飼育者によって利用されています。生きたコオロギは動きがあるため反応しやすい個体もいますが、冷凍コオロギは管理がしやすいという利点があります。飼育スタイルや個体の好みに合わせて選ばれています。
Q. 栄養バランスのために何をすればいい?
A. 基本はコオロギを中心に、ミルワームやデュビアを少量組み合わせる方法がよく使われます。また、カルシウムやビタミンDパウダーを適度に併用することで、バランスが取りやすくなります。
Q. 食欲がない時はどうしたらいい?
A. まずは温度・湿度・ストレス要因・餌の種類を見直してみます。それでも食べにくそうな場合は、個体が好みやすいとされるハニーワームを少量試す方法もあります。
まとめ
アンダーウッディサウルスミリーと健康に暮らすためには、自然界の食性を意識した昆虫食をベースに、個体の様子に合わせて餌の頻度や種類を調整することがポイントになります。サプリメントの併用や与える時間帯の工夫など、日々の観察を続けることで、その子に合ったスタイルが見つかりやすくなります。
毎日の小さな変化を見逃さず、無理のない範囲でお世話を続けていくことで、より安心して暮らせる環境づくりにつながります。


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