ニシアフリカトカゲモドキの温度と湿度管理|季節ごとの快適な飼育環境を徹底解説

nishiahurikatokagemodokiondotoshitsudo ニシアフリカトカゲモドキ

ニシアフリカトカゲモドキを健康に育てるためには、彼らが快適に過ごせる環境作りが欠かせません。その中でも特に重要なのが、適切な温度と湿度の管理です。

本記事は、実際に4年以上ニシアフリカトカゲモドキを複数匹飼育している筆者の実体験をもとに記載しています。

この記事では、ニシアフリカトカゲモドキが健康に過ごすための理想的な温度と湿度の基準について詳しく解説します。また、春夏秋冬それぞれの季節に応じた管理の工夫や、初心者がつまずきやすいポイントとその対処法も、実体験をもとに紹介しています。

ニシアフリカトカゲモドキの生息地と環境

ニシアフリカトカゲモドキの生息地の地図

私が最初にニシアフリカトカゲモドキを飼うことを決めたとき、西アフリカの自然環境について詳しく学びました。

ニシアフリカトカゲモドキが自然に暮らしているのは、西アフリカの海に面した国々。セネガルやナイジェリアなどの地域で、乾燥しつつも季節ごとに湿度が変化するような、変化に富んだ環境で暮らしています。

一見するとカラカラに乾いた環境のように思えますが、彼らは意外にも湿度を好む生き物です。昼夜の温度差も大きく、日中は日差しを避けられる涼しい場所を求めて岩陰や地中に身を隠し、夜になると活発に動き回ります。

つまり、おうちで飼う場合も、自然と同じように「乾いているけど、ちょっとだけしっとり」そんな空気感を再現することが、彼らがリラックスできる秘訣です。

温度管理の重要性

ニシアフの飼育環境では、温度管理が非常に重要です。適切な温度を保つことで、ニシアフの代謝や消化機能が正常に働き、健康を維持することができます。

私が初めて温度管理を始めたとき、なかなか適温を維持できず、生体の食欲が落ちたことがありました。その時は、パネルヒーターの位置を何度も変えて最適化しました。そして、ついに、ヒーターの暖かいスポットで居心地よさそうに過ごす姿を見て、一安心したのを覚えています。

最適な温度帯

日中の温度 26〜29℃
夜間の温度 26〜29℃
ホットスポット 32〜34℃

うちの子の場合、寒いとほとんど動かなくなってしまって、エサにも見向きしません。逆に暑すぎる日は落ち着かない様子で、あちこちうろうろしてしまうことも。温度って、ほんとうに彼らの調子に直結するんですね。

これは、人間が寒すぎる部屋や暑すぎる部屋で快適に過ごせないのと同じです。

ニシアフリカトカゲモドキは、自分で体温を作り出せないので、「あったかい場所」や「ひんやりした場所」を行き来しながら、その時の気分に合わせて体温を調節しています。

このあったかい場所を作るためには、パネルヒーターを使用します。温かい場所と冷たい場所をケージ内に分けることで、トカゲモドキが自分で体温を調整できるようにします。

餌をしっかり食べてもらうためにも、温度管理と食事内容の両方が大切です。ニシアフリカトカゲモドキの餌と与え方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

湿度管理の重要性

ニシアフリカトカゲモドキは比較的乾燥した環境を好みますが適度な湿度も必要です。空気が乾きすぎると、うちの子も脱皮がうまくいかなくて皮が残っちゃったりします。とくに手足は乾燥の影響を受けやすいので、こまめに湿度をチェックしています。

最適な湿度

  • 湿度:50〜70%
  • 脱皮の際の湿度:60〜80%

通常時は50〜70%程度の湿度を保つのが理想的です。乾燥しすぎると健康に悪影響を及ぼすため、特に冬場の乾燥した季節やエアコン使用時には注意が必要です。

湿度を確保するためには、毎日の霧吹きが効果的です。霧吹きをする際は、全体を湿らせるのではなくケージの壁などに向かって一部を湿らせます。

ニシアフリカトカゲモドキの飼育ケージ

ケージの中にウエットシェルターを設置することでニシアフリカトカゲモドキが自分で快適な湿度を選んで過ごすことができますし、脱皮の時もサポートになり、脱皮不全を防ぐことができます。

ウエットシェルターは上部に水を入れることでシェルター内の湿度を保つことができます。また、直接水を飲むこともできるのでニシアフリカトカゲの飼育には必須です。

季節ごとの温度と湿度管理

春夏秋冬、それぞれに合わせた環境づくりが必要です。うちでも季節の変わり目は特に注意していて、「あれ、今週ちょっと乾燥してない?」みたいな小さな変化も見逃さないようにしています。

特に日本の冬は温度が下がりやすいため、室温の下がり過ぎに注意が必要です。

私の場合、季節の変わり目には特に注意を払っています。春と秋は昼夜の温度差が大きいため、タイマー付きのヒーターを使用し、夜間は自動的に温度が上がるように設定しています。

また、エアコンの設定も季節に応じて細かく調整し、春は25度、夏は28度、秋は26度、冬は23度を基準にしています。

春の対策

春は気温が徐々に上昇し始め、ケージ内の温度も安定してきます。日中と夜間で温度差が大きいため、過度な冷え込みを防いで、ニシアフリカトカゲモドキがストレスを感じないようにすることがポイントです。

春は夜間の冷え込みに気を付ける

春の昼間はエアコンやヒーターを使わなくても良い日もありますが、気温の低い日にはパネルヒーターを使用してホットスポットを作ります。

夜間に冷え込む場合もあるので、パネルヒーターは夜間も低めの温度に設定して必要に応じて使用します。

春は時々の霧吹きで湿度を保つ

春は冬のような乾燥はしにくいため湿度管理も比較的楽ですが、乾燥が気になる日は霧吹きで調整します。

脱皮がスムーズにできるようにウエットシェルターを設置し日中は適度に湿度を保ちます。

【春の温度湿度管理】
・エアコンを使わなくていい日は消す
・夜間冷えるのでパネルヒーターを使う
・霧吹きで湿度を保つ

夏の対策

夏は特に温度が高くなるためエアコンの使用が必須です。湿度も上がりやすいため注意します。

夏は常時エアコン管理、28度設定にしよう

エアコンを24時間使用し、室温が28℃前後になるように設定します。特に夜間の温度が下がりにくい日もあるため常時の温度管理が重要です。

ケージ底のパネルヒーターはケージ内の3分の1程度に設置し、ニシアフリカトカゲモドキが暑すぎると感じた時に避けられるようにします。

夏は湿度はあまり気にしなくていい

夏場は湿度が自然と高くなるため、湿度計で50〜70%程度を維持します。脱皮時にはウエットシェルターや軽い霧吹きをしますが、全体が湿りすぎないようにします。

【夏の温度湿度管理】
・常時エアコンを使う
・湿度は気にしなくてよい

秋の対策

秋は日中と夜間で温度差が出やすくなるため、適度な温度管理と湿度調整が必要です。寒暖差の変化に合わせてエアコンやヒーターを適切に使い分けます。

秋は夜間のみエアコンをつけはじめよう

昼間はパネルヒーターのみで温度が保てる場合が多いですが、夜間は温度が急激に下がることもあります。夜はパネルヒーターを高めの温度に設定するか、必要に応じてエアコンも低温で使用します。

秋はウエットシェルターと霧吹きで湿度サポート

秋も湿度が安定しているため、ウエットシェルターと霧吹きで必要な湿度を補います。

脱皮が近づいた際には、湿度をやや高めに保つことでスムーズな脱皮をサポートします。

【秋の温度湿度管理】
・夜間エアコンをつける
・ウエットシェルターと霧吹きで湿度を補う

冬の対策

冬は気温が大幅に下がり湿度も下がりがちです。ケージ全体の保温と加湿が重要になります。暖房器具を適切に使い、温かく過ごせる環境を整えましょう。

私の体験談:温度管理の重要性

初めての冬、室温が思った以上に低下しニシアフリカトカゲモドキの動きが鈍くなっているのに気付きました。急いで断熱シートをケージに貼り、エアコンとパネルヒーターの設定を再調整しました。すると、徐々に通常の活発さを取り戻しました。この経験は、さらに温度管理の重要性を教えてくれました。

冬場は常時エアコンをつけて室温は下がらないようにしよう

冬場はエアコンを24時間つけケージ全体の保温を確実に行います。私は25度設定にしています。発泡スチロールや断熱シートでケージの周囲を囲み、冷気が入り込まないように工夫します。

ケージ上部に暖突やヒーティングトップを設置し、ケージ全体を均一に暖めます。パネルヒーターも高温に設定して底からの保温を補強します。

冬は加湿器を常時使用して乾燥注意

冬は乾燥しやすいため、加湿器を常時使用して湿度を維持します。ウエットシェルターも頻繁に水の補給を行い、乾燥しないようにしましょう。

脱皮時には霧吹きをケージ全体に行い湿度を一時的に高めます。

【冬の温度湿度管理】
・常時エアコンをつける
・加湿器、霧吹き、ウエットシェルターで湿度の低下に気をつける
(湿度は60〜70%を目安にします)。

私の体験談:湿度管理の重要性

湿度管理で失敗した経験として、初めは霧吹きを床材全体に直接かけていました。その結果、カビが発生してしまい、環境を完全に作り直す必要が出てきました。

現在は壁面のみに霧吹きをし、床材は乾燥した状態を保つようにしています。また、加湿器は超音波式を使用していますが、週1回の清掃を欠かさず行うことで、清潔な環境を維持できています。

我が家の温度と湿度の管理

ニシアフリカトカゲモドキ2匹を飼ってるニシアフリカトカゲモドキの管理の例です。

紹介している機器はすべて実際に使用しているものです。リンクは広告を含みません。

夏場は24時間のエアコン管理とパネルヒーター併用してます

7月8月の一番暑い時期は24時間エアコンをかけています。
職場にケージを置いているので夜は誰もいなくなりますが、28℃に設定して帰ります。

ケージの下には、みどり商会のピタリ適温プラスを設定温度は、中にして敷いています。
寒い時はパネルヒーターの下、暑い時は涼しい場所で休んでいます。

ニシアフリカトカゲモドキは寒さよりも暑さには強いですが、暑すぎるとストレスになるので、高温になり過ぎない程度の温度管理をしていきます。

夏はウエットシェルターの水換えだけでOK

夏場は空気中の湿度が下がりすぎることはほとんどないため、基本的な管理はウエットシェルターの水換えのみで十分です。

脱皮期には、ウエットシェルター内の湿度が高いことでスムーズな脱皮を促します。脱皮不全を防ぐためにも、常に水を切らさないよう注意が必要です。

我が家では、職場に置いている2匹は以前は脱皮途中で動かなくなってしまうことがありましたが、現在ではウエットシェルターをしっかり整えることで、2匹ともきれいに脱げるようになりました。

一方で、自宅にいる1匹は脱皮のたびに手足に皮が残ってしまうことがあります。湿度対策は同じように行っているものの、個体の性格やクセにもよるのかもしれません。

そのため、湿度管理はもちろん重要ですが、それぞれの個体の様子に合わせてサポートしてあげることも大切です。

冬はエアコンを常時かけて室温をキープ

パネルヒーターの設置例

冬場は24時間エアコン管理でケージ全体の温度を調整しています。私の使っているエアコンは業務用なので20度設定くらいでちょうど良いです。ケージの底にはみどり商会のピタリ適温プラスを設定温度は、中にして敷いています。

温度が下がり過ぎると代謝が落ちて、消化不良になったり、そもそも食欲が落ちてしまうので寒くなりすぎないように注意しています。

爬虫類ケージ上部に置くヒーター

ケージの上には、ジェックスのヒーティングトップSを置いています。
サーモスタットをつけていて、ケージ内が30℃以上になるとOFF、26℃以下になるとONになるように設定しています。

冬場は加湿器と霧吹きでしっかり湿度管理

加湿器の設置位置

冬場はエアコンをかけるので湿度が極端に低くなりやすく、加湿器が必須です。
ケージ横に設置して水が無くならないように常時つけています。

加湿器の設置とメンテナンス

加湿器はケージの近くに設置し、湿度が落ちないように調整します。水が切れるとすぐに湿度が下がってしまうため1日何回も水を補充するようにしています。

私はスイッチボットの温湿度計と連携させて湿度が下がると加湿器が作動するようにしていますが、24時間エアコンをつけているので加湿器も常時ついています。

加湿器はすぐに汚れるので定期的な清掃が必要です。水垢やカビが発生しやすい環境なのでこまめにチェックします。

ウエットシェルターと水の交換頻度

ウエットシェルター内の水もすぐに減るので、毎日新鮮な水を補充してシェルター内の湿度を一定に保つことが重要です。

霧吹きは壁面に向かって

霧吹きは乾燥対策として手軽にできる方法で、1日2〜3回程度の霧吹きが効果的です。直接ケージ内全体を濡らさないように、ケージの壁面や植物などに軽く吹きかけるようにします。

霧吹きに際してのポイントは床材をびしゃびしゃに濡らしすぎないことです。壁面や植物に霧吹きすることで、ニシアフリカトカゲモドキはペロペロ舐めて水分補給します。皮膚が白っぽくなって脱皮が近い場合は、特に湿度を高めにしたいので霧吹きの回数を増やします。

まとめ:安心できる環境づくりのポイント

ニシアフリカトカゲモドキは、気温や湿度の移り変わりにとても繊細に反応する生き物です。温湿度の数値だけでなく、普段の動きや脱皮の状態など、行動の変化からも快適さを見極めるのがポイントです。

個体の性格に合わせて柔軟に対応することが、長く健康に育てるコツです。「ちゃんと快適?」と声をかけるような気持ちで、毎日の環境チェックをしてあげてくださいね。

 

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この記事を書いた人:nakamura
ニシアフ歴4年以上。現在3匹のニシアフと暮らすnakamuraが、実体験を元に記事を執筆しています。
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