爬虫類ペットのなかでも、ヒョウモントカゲモドキ(通称:レオパ)は長年にわたり人気を誇る代表的な存在です。シュッとしたフォルムと愛らしい表情、そして初心者にも扱いやすい飼育しやすさが魅力です。
ですがここ数年、私の心を静かに、でも確実に掴んで離さなくなった存在がいます。それが、ニシアフリカトカゲモドキ(通称:ニシアフ)。
レオパとよく似た姿をしているのに、性格も雰囲気もまるで違うこの子たち。この記事では、私が実際に両方を飼育して感じたリアルな違い、そしてニシアフ推しになった理由を、たっぷり語っていきたいと思います。
レオパとニシアフの“背景”と基本の性格
レオパは、乾燥地帯を好む中東〜インド北西部にかけての地域が原産です。環境への適応力が高く、人懐っこい性格の子も多いです。私のレオパも、お迎えしてから割とすぐにハンドリングに慣れてくれました。
一方、ニシアフは西アフリカのやや湿度のある地域がふるさと。最初は少しシャイで控えめな印象を受けることが多いですが、時間をかけて信頼関係を築くと、とても穏やかなパートナーになってくれます。
彼らはどちらも夜行性で、日中はひっそりとシェルターに隠れて休んでいることが多いです。でも夜になると、そっと顔を出してケージ内をパトロール。そんな姿を見ているだけで、今日も一緒にいられることがうれしくなるんです。
姿かたちと雰囲気の違い
スタイルと雰囲気
レオパはスリムなシルエットが特徴。歩き方も軽快で、じっとしているときもピシッとした雰囲気があります。体のラインがシャープで、どこか凛々しい雰囲気さえ感じます。
ニシアフはというと、ぽってり、むちっとした体つき。指先や尻尾まで、全身がやわらかく包まれているような安心感をまとっています。ぬいぐるみのようなシルエットに癒される人も多いはずです。
目元に宿る“性格”
レオパは縦長のスリット状の瞳孔を持ち、どちらかというとクール系な印象。明るい場所では瞳孔が細くなって、ややシャープな表情になります。
それに対してニシアフは、丸い瞳孔でつぶらな瞳。どの角度から見ても「笑っているのかな?」と感じるほど、ほんのりやわらかい表情をしています。
ある日、仕事で疲れ切って帰ってきたとき、ニシアフがケージの中からじっとこっちを見ていたんです。いつも通りの顔なんだけど、「大丈夫?」って言ってくれているように感じて、思わず涙がこぼれました。
実際に飼ってわかった「性格のちがい」
私が飼っているレオパ(スーパーマックスノー)は、わんぱく坊主のような性格。特に夜になるとケージ内を走り回っていて、こちらも元気をもらえます。目が合うと前に出てきて、ごはんの催促をする姿もまた可愛い。
ニシアフの「オレオ」は、とにかく穏やかでおっとりした性格。こちらの動きをじっと観察してから、ゆっくり出てくるところが「和みのプロフェッショナル」だと思っています。
もう1匹の「スノー」は、最初はとても警戒心が強く、なかなか人前に出てこなかったのですが、ある時の脱皮不良を手伝ってからは少しずつ心を開いてくれました。
どの子にも共通しているのは、「急がず、焦らず」がいちばん効くということ。時間をかけて向き合うことで、少しずつ気持ちを通わせる感覚があって、その積み重ねが本当に愛おしいです。
飼育環境のちがいと工夫
温度・湿度の設定
レオパ:日中は28〜32℃前後。夜間は20〜24℃に下がるくらいが快適。
湿度は40〜50%ほどで、比較的カラッとした環境が得意です。
ニシアフ:温度はレオパと同じく日中28〜32℃、夜は22℃前後を意識しています。
湿度はやや高めの50〜60%が安心できるようです。
私はウェットシェルターに加湿器を併用して、ニシアフの方はしっとり感を意識して整えています。湿度が下がってくる冬場には、加湿器をスマートプラグでON・OFFする工夫もしています。
レイアウトのちがい
レオパはアクティブなので登り木や動ける空間を意識した配置に。
ニシアフは落ち着くスペースが大事なので、シェルターを複数設置して、静かに過ごせるようにしています。
私はいつも、配置を変えるときには「この子が今どこでよく休んでいるか」を観察してから決めています。そうすると、無理のない自然な環境がつくれる気がするんです。
初心者さんはどっちがおすすめ?お迎え前に考えたいこと
飼いやすさで比べると、正直どちらも優秀です。ですが、最初の一歩を踏み出す方に向けて、あえてポイントをあげてみます。
初期費用の違い
どちらも1万円〜3万円前後でお迎えできますが、モルフ(カラーバリエーション)によっては価格差が出ます。特にニシアフのレアモルフはやや高めに設定されていることが多いです。
レオパはペットショップでの取り扱いも多いため、初心者が選びやすい傾向があります。
餌の好みや慣れやすさ
レオパは比較的なんでも食べる子が多く、人工フードにも移行しやすい子がいます。ニシアフは少しグルメな子もいて、食べ物の好みに敏感な場合があります。
我が家のスノーは、冷凍コオロギには見向きもしなかったけれど、ピンセットで動かすと少しずつ反応するようになりました。最初は焦りましたが、慣れれば問題ありません。
飼育書・情報の多さ
レオパは情報がとにかく多いので、飼育方法を調べるのも簡単。
ニシアフはまだまだ経験談が中心なので、飼っている人の声を聞けると安心です。
だからこそ、この記事のように「実際の経験ベース」の内容が誰かの役に立てばうれしいなと思っています。
繁殖に挑戦した時のこと
春になり、うちのニシアフ(スノー)と、友人宅のホワイトアウトオレオをペアにしてみました。最初の数日は距離感が難しく、メスが少し警戒気味。それでも2日目にはお互い慣れて、交尾を確認。
「よし、これはいけるかも」と期待したのですが、その後しばらくしても卵は確認できませんでした。
温度・湿度・栄養管理……どれも丁寧にやっていたつもりでしたが、やっぱり命の営みは簡単にはいきません。だからこそ、次はもっとじっくり向き合って準備したいと思っています。
実はこの時、スノーが交尾の後に少し元気がなくなってしまってとても心配しました。結果的には回復しましたが、繁殖は「命と命が向き合うこと」だと強く実感した経験でした。
私がニシアフを推す“ほんとの理由”
もちろん、レオパも可愛いし、魅力的です。
でも私がニシアフを推す理由は、ただひとつ。
「控えめだけど、そっと心を開いてくれる」その距離感が、たまらなく愛おしいから。
ちょっと口角が上がったような顔
つぶらな瞳に見つめられた瞬間のドキッとする感じ
ぷにぷにした触り心地の癒しパワー
どれも私にとって「この子に出会えてよかった」と思わせてくれる特別な要素です。
“推しトカゲ”と出会うために
動きが多くて観察が楽しい子が好きならレオパ。
静かな空間で穏やかに過ごしたい人にはニシアフ。
どちらもすばらしいパートナーです。だからこそ、選ぶときは「自分がどう過ごしたいか」を大切にしてほしいです。
あなたにぴったりの“推しトカゲ”が見つかりますように。
そして、どちらを選んでも、それはきっと「運命の出会い」になるはずです。
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