「どんなおやつをあげればいいの?」「安全に与えるにはどうしたらいい?」
フクロモモンガとの暮らしを始めたばかりの飼い主さんにとって、おやつ選びは悩みの種になりがちです。
おやつは、モモンガにとっての“楽しみ”であると同時に、栄養補助や飼い主との信頼関係を築く大切なコミュニケーションのひとつ。でも種類や量、与えるタイミングを間違えると、健康を損なうリスクもあるため、注意が必要です。
本記事では、フクロモモンガの飼育歴を持つ筆者の視点から、初心者にも安心して与えられるおすすめのおやつ5選を紹介。さらに、安全に与えるためのポイントや注意すべき食材についても、わかりやすくまとめました。
「健康を守りながら、もっと仲良くなれるおやつの選び方」を、あなたのモモンガライフに役立てていただければ嬉しいです。
フクロモモンガが喜ぶ!栄養満点おやつ5選
野生下では何を食べているの?
フクロモモンガは、野生では多様な食材を食べる雑食性動物であり、その食性は季節や生息地によって変動します。主な食材には以下が含まれます。
・樹液や花蜜:エネルギー供給源
・果実:ビタミンと水分の供給源
・昆虫:タンパク質と脂質の重要な供給源
これらの食材から得られる栄養は、彼らの活発な活動(滑空や登攀など)を支えるエネルギー源となります。一方で、飼育下ではこれらの食材が全て自然な形で提供できるわけではないため、適切なおやつがその補完的な役割を果たします。
主食とのバランス:おやつは全体の20%以内
フクロモモンガの食事の基本は総合栄養食であるペレットフードで、全体の70-80%を占めるべきです。おやつはあくまで嗜好性を高めたり、栄養を補う程度にとどめ、全体の20-30%以内に抑えましょう。
▶︎ 詳しくは主食となるペレットの選び方と与え方も参考にしてください。
おすすめはフリーズドライ豆腐
私の家で初めてあげたおやつがフリーズドライ豆腐です。最初は警戒していましたが、手で小さく割って渡すと、数日後には自分から手に乗って食べてくれるようになりました。高タンパク・低カロリーで肥満が心配な子にも安心して与えられます。
タンパク質 | 豆腐は高タンパク質で、筋肉や組織の修復に役立ちます。 |
カルシウム | 骨や歯の健康を維持するために重要なカルシウムが含まれています。 |
鉄分 | 赤血球の生成を助け、貧血予防にも役立ちます。 |
ビタミンB1、B2、B6 | エネルギー代謝を助け、健康維持に貢献します。 |
マグネシウム | 筋肉や神経の機能をサポートします。 |
季節の果物(リンゴ・スイカ・ブルーベリーなど)
うちのフクロモモンガはリンゴとスイカが大好き。夏は冷やしたスイカを小さくカット、冬は農家さんのリンゴを薄切りにしてあげています。ブルーベリーも食いつきが良かったですが、糖分が多いので週2回程度にしています。種や芯は必ず取り除くのが私のこだわりです。
【おすすめの果物】
果物の種類 | 主な栄養素 | おすすめの理由 | 注意点 |
リンゴ | ビタミンC、食物繊維 | 免疫力向上、腸内環境改善 |
種や芯は必ず取り除く
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スイカ | ビタミンC、カリウム | 免疫力向上、水分バランス調整 | 種は取り除く |
パイナップル | ビタミンC、マンガン | 免疫力向上、骨の形成 |
口内や消化器官を刺激する可能性あり、少量から
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イチゴ | ビタミンC、食物繊維 | 免疫力向上、腸内環境改善 | 種は取り除く |
バナナ | カリウム、ビタミンB6 | 水分バランス調整、神経機能維持 |
糖分が多いので与えすぎ注意
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ブルーベリー | ビタミンC、アントシアニン | 免疫力向上、目の健康維持 | 種は取り除く |
茹でたサツマイモ・カボチャ茹でたサツマイモ・カボチャ
私自身が焼き芋好きなので、冬は一緒に食べるのが恒例行事。サツマイモやカボチャは加熱して冷ましてから小さくカット。食物繊維が多く、便通も良くなりました。野菜は蒸す・茹でることで甘みが増し、食いつきもアップします。
【おすすめの野菜】
野菜の種類 | 主な栄養素 | おすすめの理由 | 注意点 |
さつまいも | 食物繊維、ビタミンC、カリウム | おやつ感覚で与えやすい | 加熱して与える |
にんじん | β-カロテン、ビタミンA、食物繊維 | 皮膚や目の健康をサポート | 与えすぎに注意 |
ブロッコリー | ビタミンC、食物繊維、カリウム | 免疫力向上&腸内環境改善 | 少量にとどめる |
かぼちゃ | β-カロテン、ビタミンE | 抗酸化作用が強い |
糖分が多いので適量を守る
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ピーマン | ビタミンC、β-カロテン | 免疫力向上&抗酸化作用が高い |
苦手な個体もいる
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冷凍コオロギ・乾燥ミルワーム
最初は見た目に抵抗がありましたが、週に1回だけご褒美として冷凍コオロギを解凍して与えています。余った分は他のペットにも使えるので経済的。ミルワームは脂肪が多いので与えすぎないように注意。カルシウムパウダーをまぶしてから与えるのが我が家のルールです。
【おすすめの昆虫類】
昆虫の種類 | 主な栄養素 | おすすめの理由 | 注意点 |
デュビュア | 高タンパク、低脂肪 | ・栄養バランスが良く、成長や健康維持に最適 ・脂肪が少なく、ヘルシー |
・動きが遅く、好みが分かれる
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コオロギ | 高タンパク、ビタミンB群 | ・タンパク質が豊富で、筋肉や成長に良い ・カルシウムを含み、骨の健康に良い |
・殻が硬めで、食べにくい
・脱走しやすいので管理が必要 |
ミルワーム | 高脂肪、高タンパク | ・嗜好性が高く、フクロモモンガが好んで食べる |
・脂肪が多く、与えすぎると肥満になる
・リンが多いため、カルシウム不足を招きやすい |
市販のごほうびゼリー・ヨーグルトドロップ
私がリピートしているのは「ごほうびゼリー(ベリー・バナナ味)」と「ヨーグルトドロップ」。ゼリーは夏場の水分補給や旅行・病院帰りのご褒美に。ヨーグルトドロップは乳酸菌入りでお腹の調子を整えてくれるので、便が緩いときや食欲が落ちたときにも重宝しています。
【おすすめの市販のおやつ】
おやつの種類 | 主な栄養素 | おすすめの理由 | 注意点 |
ドライフルーツ (無添加・無糖) |
ビタミン、ミネラル、食物繊維 | ・手軽に与えられる ・食物繊維が腸内環境を整える |
・糖分が多い
・与えすぎに注意 |
昆虫系おやつ (GEX乾燥ミルワーム) |
高タンパク、脂質 | ・タンパク質補給に最適 ・嗜好性が高い |
・脂肪が多い
・与えすぎると肥満の原因に |
ヨーグルトドロップ (モモンガ専用) |
乳酸菌、カルシウム | ・お腹の調子を整える ・カルシウム補給にも◎ |
・糖分や脂質が多い
・頻繁に与えない |
小動物ゼリー (フルーツ味) |
ビタミン、水分補給 | ・夏場の水分補給に便利 ・食いつきが良い |
・糖分が多いものもある
・与えすぎ注意
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干しタラ | 動物性タンパク質、ミネラル | ・高タンパク ・塩分が少ないものを選べば安心 |
・無添加を選ぶ
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おやつを与える際の注意点
おやつは「特別なご褒美」として、主食のペレットやフルーツをしっかり食べた後に手渡ししています。食事全体の20%以内に抑えるのが私のルールです。
新しいおやつは少量から。食欲不振や便の異常があればすぐ中止し、必要なら獣医さんに相談しています。
市販品は「無添加・無糖」を選び、砂糖や添加物が多いものは避けています。フクロモモンガのおやつを安全に与えるために、以下の点に注意してください。
私の失敗談
昔、アボカドを少量与えてしまい、翌日下痢に…。獣医さんに相談して大事には至りませんでしたが、それ以来「アボカド・チョコレート・カフェイン・ネギ類・塩分や糖分の多い加工食品」は絶対に与えないと決めています。
タイミングを工夫する
フクロモモンガは夜行性なので、活動が活発になる夜間におやつを与えると効果的です。おやつを与える時間を一定にすることで、生活リズムを整える助けにもなります。
飼い主とのコミュニケーションを重視する
おやつを与える際にスプーンや手から直接渡すことで、フクロモモンガとの絆が深まります。特に新しい環境に慣れさせたい場合や信頼関係を築きたい場合に有効です。
まとめ
おやつ選びは、飼い主とフクロモモンガの距離を縮める大切な時間。私自身、毎日のちょっとした工夫や失敗を重ねて、今では手からおやつを受け取る姿に癒されています。これから飼育を始める方も、ぜひ“うちの子だけのお気に入り”を見つけてあげてください。
清潔な生活空間を保ちたい方に
フクロモモンガのポーチの洗い方とおすすめの洗剤もあわせてご覧ください。
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