地震・台風・豪雨で実際にやったこと。爬虫類を連れて避難所には入れませんでした

停電時の保温に使っているカイロとアルミ保温シート 飼育の基本

爬虫類と暮らしていて、停電・地震・台風・豪雨を経験しました。

一番感じたのは、道具より手順だということです。暗闇の中で何から手をつけるかが決まっていれば動けます。決まっていないと、まずそこで止まります。

実際に起きたことと、そのときやったことを書きます。

⚠ 「同行避難」は、避難所で一緒に過ごせるという意味ではありません

これを先に書きます。私は勘違いしていました。

環境省の指定避難所におけるペットの受入れに関する資料に、こう書かれています。

「同行避難」は、災害時に自宅等に留まることが危険だと判断した際に、人とペット双方の被害を避けるためにペットを連れて行う「避難行動」を意味します

避難所まで連れて行く「行動」のことで、避難所の中で一緒に過ごせることを保証するものではありません。同じ資料では、避難所の人の居住場所とペットのスペースを分けることが前提として扱われています。

犬や猫でもそうです。爬虫類はさらに受け入れられにくいと考えておいたほうがいいです。実際、うちは豪雨のときに避難所へは入れませんでした。

だから準備するのは「避難所に持っていくもの」ではなく、避難所に入れなかったときにどうするかのほうでした。

実際に起きた4つ

避難用に使っているフタ付きのプラスチックケース

① 深夜の地震で、ブレーカーが落ちた

揺れでブレーカーが落ちて、真っ暗になりました。やった順番はこうです。

  1. ヘッドライトを装着(両手が空くこと。スマホのライトでは足りません)
  2. プラケースへ移す
  3. カイロをタオルで包んで、ケースの外側に貼る
  4. アルミ保温シートで覆う

これで体表温の低下が緩やかになりました。手順を決めておくと、暗闇でも迷いが減ります。このとき初めて、決めてあって良かったと思いました。

② 台風で、24時間以上の停電

ここが一番長かったです。1000Whのポータブル電源を使いました。

昼ソーラーパネルで充電
夜20Wの局所加温に切り替え
運転ヒーターを30分単位で間欠運転し、温度計で最低温を確認
結果2日以上もちました

ここで分かったのは、電力は「連続で動かす」より「間欠+断熱」のほうがもつということでした。つけっぱなしにすると、あっという間に減ります。

一晩だけなら300Wh程度でもしのげると思いますが、余裕を持つなら500Wh以上だと安心です。

③ 豪雨で避難所に入れず、車中泊

避難所は爬虫類の持ち込みが難しく、車中泊を選びました。

  • 助手席にキャリー、後席に電源・水・餌
  • 暗色の布で覆う
  • 夜間は結露対策に窓を数ミリ開ける(雨が吹き込まない位置に駐車)

静かな環境を作ると次第に落ち着き、排泄も通常どおりでした。車中泊は次善の策ではなく、最初から想定しておく選択肢だと思っています。

④ 夏の瞬間停電で、部屋がサウナになった

短時間の停電でも、室内が一気に暑くなりました。冬より夏のほうが速いです。

やったのは、保冷剤をタオルで包んでケースの外壁に当て、USBファンで空気を動かすこと。

直接冷やすと急冷になるので、外側からじわじわ下げます。温湿度計の数値が落ち着くまで無理に給餌せず、水分補給を優先しました。

電気なしで温度を保つ:冬と夏

ケージの中のレオパードゲッコー

冬|段ボールと新聞紙で断熱箱を作る

実際に試した方法です。

  1. 段ボール箱の内側に、新聞紙を重ねて貼る
  2. アルミ保温シートを敷く
  3. ケースごと中に入れる
  4. カイロはタオルで包んで、ケースの外側底面に当てる

外気温5℃の夜でも、ケース内を15℃以上に保てました。材料はどれも家にあるものです。

カイロは必ずタオルで包んでください。直接触れると低温やけどのおそれがあります。

夏|冷やすのではなく、空気を動かす

保冷剤はタオルで包んで外壁に当てる。ケースの中を直接冷やさない。これだけです。

冬と夏で共通しているのは、熱を足したり引いたりするより、ケースの外側で緩やかに変えることでした。

⚠ ガムテープが足りなくて、封緘に手間取った

初めての停電のときの失敗です。

ガムテープの残量が少なくて、キャリーの隙間をふさぐのに時間がかかりました。暗い中で、残り少ないテープを引き出しながらの作業です。

それ以来、非常袋のテープは必ず新品を1本入れています。カイロも同じで、使いかけを入れておくと足りません。

脱走防止でほかにやっていることです。

  • キャリーはフタにロック機構があるものを選ぶ
  • 通気口の穴は細かいもの
  • 内部に滑りにくいペーパーかタオルを敷く
  • 「種類・名前・注意事項・連絡先」を書いたラベルを貼る(逸走したときのため)

うちの避難カバンの中身

地震を経験してから、玄関の棚に置くようにしました。

  • プラケース
  • カイロ(新品)
  • アルミ保温シート
  • ガムテープ(新品)
  • 暗色のタオル
  • ペットボトルの水2本
  • 浅皿
  • 霧吹き

余裕があれば、ポータブル電源と人工フードも足します。玄関に置いているのは、取りに戻らなくて済むようにするためです。

餌は、常温で長くもつものを一番に

餌備蓄の考え方
人工フード(ペレット・ジェル)常温で長期。平時から慣らしておくと、非常時に食べてくれます
冷凍の餌停電で解凍したら、優先して使い切る
昆虫(デュビアなど)中期。小規模に。多すぎると管理のほうが負担になります

一番効いたのは人工フードに慣らしてあったことでした。普段から食べられるようにしておかないと、非常時に初めて出しても食べません。

そして餌より水です。給餌は控えめでも、水分補給は優先しました。

うちの種類ごとにやったこと

非常時にやったこと
フトアゴ熱の確保を、光の確保より優先。朝にケースの一部へ日光を15〜20分。消化が落ちるので餌は控えめ、水分を優先
ヤモリ(レオパ・ニシアフ)暗色の布で覆って視覚刺激を遮る。霧吹きで壁面に水滴を作って飲ませる
カメ水質悪化が一番こわい。広い水より、清潔な少量の水をこまめに交換

共通して言えるのは、停電中は「熱の確保 > 光の確保」でした。UVBは数日止まっても取り返せますが、温度は数時間で効いてきます。

発生から3日目までの流れ

0〜30分ケガの確認 → 停電の確認 → キャリーへ移す → カイロと断熱で応急保温 → 隙間をふさぐ・ラベルを貼る
数時間温度計を目視。過加熱と低温を避ける。水を少量ずつ。同時に自分の安全確保(情報・充電・トイレ)
1日目給餌は控えめ。排泄と行動の変化を観察。電源の残量管理と充電計画
2〜3日目人工フードで省リソース運用。ソーラーや車の電源を併用し、夜間の最低温を死守

車のシガーソケット+インバーターも使えますが、屋内でのアイドリングは絶対にしないでください。一酸化炭素の危険があります。

平時にやっておくこと

  • ラックを壁や柱に固定する(設備まわりの記事に書きました)
  • 重いケージは下段に置く
  • 人工フードを普段から食べられるようにしておく
  • 非常袋のカイロとテープは新品を補充
  • 一度だけ、避難の流れを通しでやってみる

留守中に温度が外れたときの備えは、留守番の記事にも書いています。

最後にもう一度。道具より手順です。平時に一度だけ流れを確認しておくと、暗闇でも体が動きます。電気なしで1〜2日しのげる準備があるだけで、焦りがかなり減ります。