私の部屋に小さな恐竜がやってきた日――爬虫類と暮らして実感した5つのリアルな変化

hatyuruitokurasitekuzuitakoto 爬虫類飼育初心者向け

「部屋に恐竜がいるみたいだね」と友人に言われたのが、私の爬虫類ライフの始まりでした。最初は、ペットショップでじっと動かないレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)を見て、「この子なら静かに暮らせそう」と軽い気持ちで迎えました。

しかし、実際に暮らし始めると、想像以上に“彼らなりの個性”や“私自身の変化”に気づかされる毎日が待っていました。

彼らとの日々は想像以上に深く、静かで、そして私の内面にたくさんの変化をもたらしてくれました。言葉を使わず、派手な表情も見せない彼らは、その分「感じること」「向き合うこと」の大切さを静かに教えてくれたのです。

この記事では、私が爬虫類たちとの暮らしの中で自然と気づき、変化していったことを5つの視点からお届けしたいと思います。

飼い主として大切にしたい、5つの静かな学び

癒しの爬虫類コーナー

待つことが思いやりになると知った

初めてレオパを迎えた日のことは、今でも鮮明に覚えています。ケージの隅にじっとして、何時間も動かない。その姿に「もしかして体調が悪いのかも」と不安になり、夜中に何度も様子を見に行きました。

餌も食べてくれず、焦って餌の種類を変えたり、温度計を何度も確認したり。けれど、ある晩、私が静かに見守っていると、ようやくゆっくりと餌に近づき、初めて口を開いてくれました。その瞬間、「この子にはこの子のタイミングがあるんだ」と実感し、見守ることの大切さを学びました。

自分がよかれと思って動くことが、必ずしも相手にとって最善とは限らない。それよりも、相手が自分のペースで心を開けるよう、そっと見守ること。それが、私にとって初めての“待つこと”の意味を教えてくれた出来事でした。

爬虫類と過ごす日々は、「思いやりとは何か」を、行動ではなく姿勢で問いかけてくるように感じます。

環境の変化を読む感覚が身についた

ある日、普段は元気に動き回るレオパが、突然シェルターから出てこなくなりました。心配してケージ内を隅々まで観察すると、エアコンの風向きが変わっていて、直接ケージに当たっていたことに気づきました。

人間には気にならない些細な変化でも、爬虫類にとっては大きなストレスになる――この経験から、毎朝の温度・湿度チェックだけでなく、部屋の空気の流れや照明の位置まで気を配るようになりました。

湿度や温度はもちろんのこと、光の角度、音の反響、床材の状態まで、彼らの様子を通じて気づけるようになります。こうした“言葉にならない違和感”に気づく力は、日々のなかで少しずつ育まれていくものだと知りました。

言葉を使わない反応に気づくようになった

フクロモモンガと遊んでる様子

最初は「全然懐かないのかな」と思っていましたが、毎日世話を続けるうちに、レオパが私の動きを目で追うようになったり、私が近づくとシェルターから顔を出すようになりました。

ある朝、私が忙しそうにしていると、レオパも落ち着かない様子でケージをうろうろ。逆に、私がのんびりとした気持ちで接すると、彼もゆったりと過ごしてくれる――そんな“心の鏡”のような反応に気づくようになりました。

それからは、彼の前に立つ前に、まず自分の呼吸を整えるようになりました。深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。その姿勢が、彼にも届くように思えたのです。

自分の生活を整えるようになった

以前は夜更かしや朝寝坊が当たり前だった私ですが、レオパのために毎朝決まった時間に起きて温度や湿度をチェックし、餌やりやケージの掃除をするのが習慣になりました。

「この子のために」と始めたルーティンが、気づけば自分自身の生活リズムも整えてくれていました。今では、朝のケージチェックが一日のスタートになり、生活に張り合いが生まれています。

「自分のために整える」のではなく、「一緒に過ごす誰かがいるから整えたくなる」という気持ち。それが、生活の中に芯をつくってくれたように思います。

命に向き合うことで、自分にやさしくなった

フトアゴヒゲトカゲが休んでる様子

仕事や人間関係で疲れて帰宅した日も、レオパは静かにいつも通りのペースで過ごしています。その姿を見ると、「今日は無理しなくていい」と自分にも優しくなれる気がします。頑張りすぎていた自分に、「そのままで大丈夫」と教えてくれる存在――それが、私にとっての爬虫類との暮らしです。

疲れていたとき、不安だったとき、焦っていたとき──
彼らは変わらず、同じペースで生きていました。その姿を見るたびに、「私も、変わらなくていいのかもしれない」と思えるようになりました。

「もっと頑張らなきゃ」「もっと動かなきゃ」と思いがちだった私が、「今日は静かに過ごしてもいい」「無理をしなくても、生きていていい」と思えるようになったのです。

それは、彼らが私に伝えてくれた、言葉のないやさしさでした。命と向き合うことで、私自身にも優しい視線を向けられるようになったのです。

まとめ:静かな命が教えてくれたこと

爬虫類との暮らしは、派手さはないけれど、毎日が小さな発見の連続です。彼らの静かな存在が、私の心や生活に穏やかな変化をもたらしてくれました。もしこれから爬虫類を迎える方がいたら、「静かな時間の豊かさ」をぜひ味わってほしいと思います。

自分の感情を整えること。
相手のペースを尊重すること。
目に見えない変化を感じ取ること。
そして、「何もしない」時間の豊かさを知ること。

それらはすべて、爬虫類たちが言葉を持たないからこそ、深く届いてきた学びでした。

これから彼らを迎える方にも、すでに一緒に暮らしている方にも、この小さな命たちとの静かな時間が、やさしく寄り添うようなものになりますように。

もし「もっと爬虫類との暮らしについて知りたい」と感じてくださった方は、こちらの記事も読んでみてください。

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