ニシアフリカトカゲモドキは温厚な性格と手間のかからなさから、初めて爬虫類を飼う人にも人気のあるペットです。しかし、実際に飼育を始めると「意外とお金がかかる…」と感じる方も少なくありません。
この記事では、私自身の飼育経験をもとに、ニシアフリカトカゲモドキの飼育に必要な初期費用と、見落としがちな毎月のランニングコストを具体的にご紹介します。
この記事でわかること
- ニシアフリカトカゲモドキの購入費用とモルフごとの価格差
- 飼育環境を整えるための初期設備費用
- 毎月かかる電気代・エサ代・消耗品の実例
ニシアフリカトカゲモドキの購入費用
私の飼育体験:ニシアフリカトカゲモドキとの出会い
私がニシアフリカトカゲモドキと出会ったのは4年前のことです。当時、ペットを飼いたいと思っていましたが、マンション暮らしで犬や猫は難しく、かといって小動物は寿命が短いことが気になっていました。
そんな時、友人の家で飼育されているニシアフリカトカゲモドキを見る機会があり、その愛らしい姿と温厚な性格に一目惚れしました。特に印象的だったのは、手の上でゆっくりと歩く姿。想像していた爬虫類の「怖い」「冷たい」というイメージとは全く異なり、むしろ穏やかで親しみやすい印象を受けました。
購入時の体験談
私が初めてニシアフリカトカゲモドキを購入したのは、地元の爬虫類専門店でした。店員さんは丁寧に各個体の特徴や性格の違いを説明してくれ、初心者の私でも安心して選ぶことができました。
おとなしく手に乗る様子を見て、この子なら大丈夫だと確信が持てました。
モルフ(柄の種類)による価格帯
ニシアフリカトカゲモドキの価格は、個体の種類、模様、色、性別、ブリーダーの質によって異なります。特にモルフによる価格差は大きく、どの個体を選ぶかによって予算も左右されます。
平均的な価格帯は1万円から5万円程度ですが、珍しい品種や特別な色合いを持つ個体の場合は10万円以上することもあります。
珍しいカラーや模様:3万〜5万円
特別な品種:10万円以上
価格はペットショップや爬虫類専門店、またはブリーダーによっても異なりますので信頼できるところから購入することが大切です。
モルフの基本概念
ニシアフリカトカゲモドキのモルフは、体の模様や柄に関するモルフと、体の色に関するモルフの二つのタイプに分かれます。
これらのモルフが組み合わさると、コンボモルフが生まれます。
単一モルフ
ノーマル:一般的
ノーマルは最も一般的なモルフで、体色は薄い黄土色から焦げ茶色がベースです。体全体に黒から濃い茶色の横帯模様が入ります。一般的には1万円から2万5千円程度です。
アルビノ:メラニンが消失
アルビノは黒色色素(メラニン)が消失したモルフで、体色はグレーと薄いオレンジのような色になります。頭から腰回り、尾の付け根までバンド模様が入ります。目は黒いままですが、値段は一般的に高くありませんが、他のモルフと組み合わせる際に注意が必要です。
ホワイトアウト:体色がクリーム色
ホワイトアウトは体色がクリーム色なのが特徴です。黒いバンドが頭から腰回り、尾の付け根付近まで入ります。バンド模様は崩れることも多いです。クリーム色の面積が大きい方が価値も高くなります。値段は約2万5千円から3万5千円程度です。
オレオ:薄い色のところが白抜け
オレオは黄色色素の欠失したモルフで、薄い所の色が白く抜けている個体を指します。値段は約3万5千円から5万円程度でとても人気の高いモルフです.
パターンレス:柄がない
パターンレスは名前の通り、柄が全くないモルフです。体の色は温度や湿度、気分などによって変化します。値段は約3万から5万円程度です。
ズールー:針のようなマーブル模様
ズールーは背中のバンド柄が分断され、不規則なマーブル状の針のような柄があるモルフです。ワイルドタイプとは違うけど派手すぎない、絶妙なバランスのモルフで近年人気が高まってます。値段は約4万から7万円程度です。
ゴースト:全体的に体色が薄い
ゴーストは体色が薄く模様がほとんど見えません。値段は約5万円以上です。
モルフ | 特徴 | 価格 |
ノーマル | 野生の個体とほぼ同じ | 1万円〜2万5千円 |
アルビノ | メラニンが消失したモルフ、体色はグレーと薄いオレンジのような色 | 1万5千円〜2万5千円 |
ホワイトアウト | 体色がクリーム色 | 2万5千円〜3万5千円 |
オレオ | 薄い所の色が白く抜けている個体 | 3万5千円〜5万円 |
パターンレス | 柄が全くないモルフ | 3万〜5万円 |
ズールー | 背中に針のようなマーブル柄があるモルフ | 4万〜7万円 |
ゴースト | 体色が薄く模様がほとんど見えない | 5万以上 |
コンボモルフ
ホワイトアウトオレオ:すごく人気
白いホワイトアウトと色が抜けるオレオが組み合わさったモルフ。きっぱりと白黒になる個体が多いです。ニシアフの中で最も人気の高いモルフの一つで、値段は約7万から10万円程度です。
ホワイトアウトパターンレス:柄のないクリーム色
ホワイトアウトとパターンレスの組み合わせで、クリームホワイトから淡いグレーの体色に柄がないモルフ。明るく洗練された印象、シンプルながらも個体によって微妙に異なるニュアンスの色合いを楽しめるモルフです。値段は約6万から8万円程度です。
ホワイトアウトズールー:針柄が素敵
ホワイトアウトとズールーの組み合わせで、明るいグレーからクリーム色の体色に針のような不規則なマーブル柄があるモルフ。左右非対称になりやすいので個体ごとにかなり違った模様になります。値段は約4万から8万円程度です。
オレオズールー:白抜けの体に針のようなマーブル柄
オレオとズールーの組み合わせで、黒・グレー・白が主体のモノトーンカラー。不規則なマーブル模様や左右非対称の柄になります。白黒の美しいコントラストが魅力のクールで洗練された印象で人気の高い組み合わせです。値段は約9万円以上です。
ゴーストオレオパターンレス:とても珍しい
バンドや模様がなく、淡いモノトーン調の体色で優しいグレーからホワイト系の色合いです。シンプルで落ち着いた見た目で美しいです。値段は約20万円以上。
モルフ | 特徴 | 価格 |
ホワイトアウトオレオ | パキッとした白黒になる | 7万〜10万円 |
ホワイトアウトパターンレス | 白いクリーム色の体に柄は全くない | 6万〜8万円 |
ホワイトアウトズールー | 白いクリーム色の体に針のような柄がある | 4万〜8万円 |
オレオズールー | 白く抜けるオレオの体に針のような柄 | 9万円以上 |
ゴーストオレオパターンレス | ゴースト、オレオ、パターンレスのレアな組み合わせ | 20万円以上 |
イベントで偶然目にした「ホワイトアウトオレオ」は、特に人気が高く、その白黒のコントラストに強い魅力を感じ、つい購入してしまいました。
それまでの経験から「あの時、買っていれば…」という後悔を避けるため、すぐに購入を決断しました。その投資は決して無駄ではなく、今では私の日々の癒しの存在となっています。
私は「スノー」というモルフを選ぶ際に、爬虫類ショップでペアの価格が35万円と記されているのを見て悩みました。しかし、幸運なことに女性が先に購入されていて、オスだけが残っていたということから、特別セール価格で14万円で手に入れることができました。
これが私にとって、モルフの希少性とショップのタイミングがいかに大切かを学ぶ良い機会となりました。また、「オレオ」を4万円、「ホワイトアウトオレオ」を6万円で購入した際も、自分の選択の幅の広さと予算感覚を試された感じがしました。
購入時のアドバイス:私の経験から
初めてニシアフリカトカゲモドキを購入する際は、以下の点に注意することをお勧めします
健康状態の確認
私の場合、購入前に複数回店舗を訪れ、個体の活動の様子を観察しました。元気に餌を食べる様子や、目や皮膚の状態をしっかりと確認することで、健康な個体を選ぶことができました。
性格の確認
実際に触らせてもらい、暴れたりしない温厚な個体を選びました。これは初心者にとって特に重要なポイントです。
信頼できる店舗選び
私は複数の店舗を回り、丁寧な説明をしてくれる専門店を選びました。アフターフォローが充実している店舗を選ぶことで、飼育で困ったときにも安心して相談することができています。
飼育環境に必要な設備費用
ニシアフリカトカゲモドキを健康に育てるためには、適切な飼育環境を整える必要があります。
まずは、必要な設備とそのおおよその費用をリストアップします。
ケージ・飼育ケース
ニシアフリカトカゲモドキの飼育には、通気性がよく適切な大きさのケージが必要です。
飼育ケースはガラス製やプラスチック製のものが一般的で、最低でも30cm×30cm以上のサイズが必要です。
ニシアフリカトカゲモドキが快適に過ごせる広さを確保しましょう。
・プラスチックケージ:3,000円〜5,000円
私が飼育環境を整えるために選んだのは、ジェックスのグラステラリウム3030です。このケージを選んだ理由は、通気性が優れており、ニシアフリカトカゲモドキが快適に過ごせる空間を提供できるからです。
初めてケージを設置した日、西アフリカトカゲモドキが新しい環境に興味を示して動き回る姿を見て、その選択が正しかったと実感しました。価格は8000円と少々高額ですが、品質は価格に見合っていると感じました。
床材
ニシアフリカトカゲモドキのケージ内には、自然に近い環境を再現するために床材を敷きます。
床材の選択肢としてはキッチンペーパー、ココナッツファイバー、ソイル系の床材などがあります。清潔で扱いやすいのはキッチンペーパー、見た目が自然に近くておすすめなのはソイル系です。
・キッチンペーパー:500円
・ココナッツファイバー:1,000円〜3,000円
・ソイル系:1,000円〜3,000円
私はジェックスのデザートソイルを使っています。10kg2300円くらいでした。
30cm×30cmのケージだと1kgくらい使います。
ウエットシェルター
ニシアフリカトカゲモドキは夜行性のため、日中はシェルターにこもることが多いです。
ストレスを軽減しリラックスできる場所を提供するために、また脱皮のサポートのためにウエットシェルターを設置します。
私はスドーのウエットシェルターを購入しました。1300円でした。
照明・保温器具
ニシアフリカトカゲモドキは温暖な環境で生活しているので、日本で飼うには適切な温度管理が必要です。温度は昼間で25〜30度、夜間は20度前後を保つのが理想的です。
そのために、保温器具や照明器具を使用します。
温度計・湿度計:1,000円〜2,000円
保温器具・サーモスタット:2,000円〜5,000円
パネルヒーターはみどり商会のピタリ適温プラス4号を購入しました。ニシアフリカトカゲモドキが2匹いるので2つのケージをまかなえる大きさで5000円くらいでした。
温湿度計はスイッチボットを使っていて2000円くらい、温湿度計を管理するためのハブが4500円くらいでした。
保温器具はジェックスのヒーティングトップSが3000円くらい、サーモスタットが3000円くらいでした。
保温器具にかかる電気代の節約法についてはこちらの記事で解説しています。
その他の装飾品
ニシアフリカトカゲモドキの環境をより豊かにするために流木や植物の飾りを入れると、自然の中にいるような雰囲気を作れます。
私はホームセンターで購入した流木にエアプランツをボンドでつけました。2000円弱でできました。
飼育環境に必要な設備については、こちらの記事でも詳しく紹介しています
▶ ニシアフリカトカゲモドキの温度と湿度管理|季節ごとの快適な飼育環境を徹底解説
日々の飼育
毎日の世話は想像していたより簡単です。朝晩の温度チェック、週2回の給餌が主な作業です。最初は餌やりに抵抗がありましたが、今では私の手からコオロギを食べてくれる姿に癒されています。エサ代とサプリメント
ニシアフリカトカゲモドキのエサは昆虫です。最も一般的なのはコオロギ、サプリメントとしてカルシウムやビタミン剤を使います。
コオロギは活コオロギ、乾燥コオロギもありますが、私は冷凍コオロギを使っています。
一回に食べる量は1匹に3匹程度、週に2回ほどあげています。
昆虫
サプリメント
ビタミン剤:1,000円〜2,000円
毎回コオロギをあげるときにサプリメントにまぶしてからピンセットで食べさせています。
冷凍コオロギの扱い方やサプリメントの選び方に悩んだら、こちらも参考にどうぞ
▶ ニシアフリカトカゲモドキの食事に悩む方へ|冷凍コオロギの栄養と管理法
メンテナンスとその他の費用
飼育に必要な初期費用以外にも、定期的なメンテナンスやケージの掃除、病気になった時の病院代などのコストも考慮しておく必要があります。
ケージの掃除用品
ニシアフリカトカゲモドキのケージを清潔に保つために、定期的な掃除が必要です。交換用の床材や掃除に使うピンセットなどが必要になります。
掃除用具:500円〜1,000円
交換用の床材:半年に1回500円程度
健康管理
ニシアフリカトカゲモドキが病気になった場合、爬虫類を診てくれる動物病院に連れて行く必要があります。爬虫類専門の獣医は少ないため事前に近くの病院を見つけておくと安心です。
病気になったときの経験
飼い始めてから半年が経過した頃、私のニシアフリカトカゲモドキが食欲を失い、元気がなくなってしまいました。心配でたまらなくなり、福岡市内で評判のバーツ動物病院を訪れることにしました。
獣医は親切に診断をしてくれて、要するに感染症と分かったのです。治療費は1回につき3000円程度で、週に2回、約1ヶ月半通院しましたが、そのおかげで無事に回復しました。
この経験を通して、健康管理の重要性を痛感しました。また、緊急時の病院情報を事前に持っておくことの大切さも学びました。私の飼ってるニシアフリカトカゲモドキが感染症になった時は、1回3000円くらいを週に2回、1ヶ月半ほど通いました。
まとめ:安心して迎えるために知っておきたいこと
この記事の学びポイント
1. ニシアフリカトカゲモドキの飼育には、生体を除いても初期費用が約2万円ほどかかります。
2. 月々の維持費は2,000円+電気代程度。空調や保温器具は命を守るための大切なコストです。
3. モルフの選び方や飼育環境によって費用は大きく変動するため、事前の計画が大切です。
私自身、24時間空調管理の環境で飼育していますが、その分、健康で穏やかな姿を見られることに価値を感じています。
爬虫類との暮らしは、長期的なコストと、小さな命を見守るよろこびのバランス。準備と心構えがあれば、きっと素晴らしい時間になります。一歩ずつ整えて、大切なパートナーとの毎日を楽しんでくださいね。
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